202511 相談テーマ紹介

みなさん、こんにちは!FPoffice結い代表の鈴木幸子です。11月は行楽シーズン、食欲の秋が到来しています。オートキャンプや登山が趣味の私としては、嬉しい季節です、ただ今年は、クマ出没が相次いでいますので、伊豆半島を中心に活動しています。備えあれば、憂いなし。そもそもクマが出ない場所に行く、クマ鈴を常備する、人気のないところへ一人で行かない。

ところが、車を運転していたら、大きなシカが飛び出してきました!危機一髪!!自損事故を免れましたが、ぶつかっていたら自動車保険を使うことになります。車両保険しっかりと備えておきましょうね!

年収の壁、扶養問題、週20時間以上働きますか?

ここ数年、毎年のように浮上する”年収の壁”問題について。そもそも”扶養”とは「自分で稼いだお金だけでは生計を立てられない家族や親族に対して、経済的な援助をすること」です。そして、その仕組みを社会全体で支える仕組みができています。

サラリーマンが加入する厚生年金や健康保険制度における支え合いは、加入者の家族に及びます。配偶者が扶養されると、国民年金保険料を負担せずに将来の年金が保障されるますし、子どもなども健康保険料を負担せずに、保障を受けることができます。

今回の”年収の壁”、考え方が3つあります。「税法上」「社会保険上」「手当」それぞれの壁が複雑に絡み合っていますので、一言でまとめられないのが、歯がゆいところですが、まずは壁の理解が大事ですね。その上で「我が家の場合はどんな選択肢があるの?」と情報を整えることです。

主な相談は、サラリーマンの配偶者(妻)の働き方です。私自身の考えをお伝えすると、「まずはどのくらい働きたいか?」が大事ということ。働く目的は収入だけではなく、自立心、やりがいや生きがい、喜びにつながることもあるからです。ご相談にいらっしゃるということは、働く意欲や時間確保が整ってきていて「どうせ働くなら、今までより世帯の手取りが減るのは嫌だ、損してまでは・・」ということですよね。まずはどのくらいの年収になるのか?我が家の場合、3つの壁はどのように影響するのか?具体的な検討が必要ですね。

このブログですべての壁を説明することは、ケースバイケースのため難しいですが、多くの方に影響があり、インパクトが大きいのが「社会保険上の壁」です。職場から「週20時間以上働きますか?」と聞かれますよね?週20時間を常時超えると、自分で社会保険に入るため、年収の15%位の保険料を負担することになります。年収200万円なら約30万円ですね。負担する代わりに将来の老齢厚生年金や健康保険の傷病手当、障害厚生年金など、保障は充実することになります。ちなみに年収200万円の手取りは?約160万円(200万円ー社会保険30万円ー所得税&住民税10万円)です。

社会保障と税の一体改革については、今もなお国会で議論がされており、方向性としては「働き控えを減らす」。最低賃金が上がり、人手不足にも拍車がかかっています、扶養を抜けて働くこと、検討する時期に入っているのかもしれませんね。

相続税対策、生命保険の加入形態を確認

昨年の死亡者数が160万人を超えました、そして約10人に1人が相続税の申告を必要とする世帯です。相続税の申告には様々なルールが用意されており、その一つが”生命保険の非課税枠”です。そしてこの情報に対して、多くの勘違いが存在することが分かりました。先日、遠州信用金庫主催のセミナーを担当しましたが、その際に生命保険の契約形態によって、相続の際の扱いが変わる、という話をしました。

死亡保険金の非課税枠の対象になる契約形態は、契約者・被保険者:被相続人、受取人:相続人、この契約のみです。一般的なのは、親が亡くなって子どもが保険金を受取る、といった契約形態ですね。ちなみに保険料は被相続人が負担してる前提です。

勘違いの例としては、契約者・受取人が「母」、被保険者が「子ども」の契約形態。母が亡くなると「保険契約の権利」が相続されるだけで、死亡保険金の非課税枠の対象にはならないです。つまり一般的には契約者が子ども、受取人がその配偶者や子どもとなり、契約は継続されます。手続きが面倒なパターンです。

もう一つの勘違いは、期間が定まった保険契約です。80歳までに死亡したら、1000万円といったものですね。相続税対策として考えるなら、課税される予定の現金を保険契約に切り替えることで、相続人に非課税で渡せる、といったことを目的にしている場合が多いので、この契約形態だと効果は限定的ですね。

個別相談では具体的な内容を確認しますが、上記以外にも、契約形態の間違えで目的を果たせない保険が散見されています。ご遺族が困らないように準備したはずの保険契約、ちゃんと目的を果たせているか、一度確認してみてくださいね。

まとめ

先日のブログにご紹介しましたが、今年の勉強は講座受講が多かったです。新しい知識を得ることはもちろんのこと、難しい内容を分かりやすく伝えてくれる研修に出逢うと、講師としての学びにもなります。私は毎日、FPの知識を使って仕事をしていますが、相談者は違います。私にとっての当たり前は、相談者にとっての当たり前ではない。一つ一つの前提条件や理解度合いを把握しながら、勘違いのないように正確な情報を届ける責任は私にある、と強く思う今日この頃です。